私の頭の中に住む村山良樹という男
シーズン1から見ていくと、彼の一番の魅力は"成長"だと思う。
キャラとしても、役としても。
元々シーズン1にしか出る予定がなかったことからもとにかく設定が大まか。
"100発に耐えた男" "拳1つで成り上がる" それだけ。
他のSWORDの頭に比べるとあまりに背負うものが軽すぎるし幼稚。言動や行動に関しても、考え方はすごく大人で理にかなっているのにどこか子供っぽい。
これは私の妄想だけど、彼には反抗期を真っ向から受け止めてくれる大人がいなかったんじゃないだろうか。社会との関わり方を教えてくれる大人がいなくて、友情を築く友達もいなくて。
だから彼は唯一、人と触れ合える拳に頼ったし、その間だけは自分を見てくれる喧嘩に依存したんだと思う。
そんな中でコブラと出会って、そうやって生きてきた自分を全否定されたような気がして挫折して、轟と出会って自分には仲間がいることに気が付いて。
彼が轟に言った「だからガキは嫌いなんだ」って言葉は轟に自分を重ねて見ていることから、彼の中にいるいつまでも大人になりきれないガキな自分に対して言ってるんじゃないだろうか。だからその壁を超えた彼はいつまでも子供気分でいるコブラよりもずっと大人なんだと思う。
それでもザムの頃は1人でなんとかしようとしてた辺り、仲間がどれほど自分に信頼を置いているのか自信がなかったんだと思う。今までずっと1人で生きてきたから。
だけど彼はここで仲間の本当の意味を知ったと思う。
他の頭に比べれば幼稚かも知れないけど、"100発に耐えた男"だけじゃ人はついてこない。コブラですら仲間割れしたのに、同じ目的で集まったとは言えない血気盛んな男達をまとめあげて、命懸けの喧嘩にもついて行きますと言わせたのだ。
それは彼の強さと賢明さと人としての魅力をみんな知っているからで。
彼は背負うものじゃなく共に生きていく者達を武器にしているのだ。
SWORDの中では一番愛されてる頭だと思います。
ここまで子供っぽい、幼稚なんて言ってるけど、ザム2では一番の功労者だし、自分の立ち位置をしっかり理解してるし、どう進むのがベストなのかも分かってる。
ザム2でSWORDが無事だったのはほとんど彼のお陰と言ってもいい。
そして喜ぶべきか悲しむべきか、ここで仲間を巻き込まないというルールを作っていたのは彼のみ。キャスティング上の都合もあるんだろうけど、それでも彼は轟に出会った頃からずっと後輩達のことを考えている。
「こんな危ない喧嘩に連れて行けない」「仲間がいるだけじゃダメってことを俺が教えてやらなきゃ」彼はいつだって仲間のことを考えている。
協定の時だってそうだった。彼は彼だけのために動くことはほとんどないのだ。
なのにザム3。なんだあれは。今まで彼が積み上げてきたものはなんだったのか。
まず膝から崩れ落ちる山良樹。彼はあの程度で崩れ落ちるほど弱くはない。最初は他の頭と対比するための演出だと自分を納得させようとした。それでもあまりに解釈違い。
ザム2ですら「ボスキャラ登場・・・」とか言うてた男やぞ・・・あまりにショックで私が泣き崩れた。
続いて突然のネット発言。どうした。ツイッターでも始めたんか。私は彼の口からネットなんてちいせえもん聞きたくなかった。
中の人の性格を考慮してのセリフだということは分かってる。重々承知しているがそれじゃあまりにただのやまゆではないか。なんてこった。
そして最後のバイク発言。もうやまゆやんけ。ただのやまゆやんけ。
そして最後に言いたいのが鬼邪高校の特徴。他のチームに比べると100発にさえ耐えれば誰だって頭になれるということ。誰だって彼の代わりになれるということ。これが何を意味するか。鬼邪高を卒業してしまえば彼はSWORDと無関係になってしまうということだ。卒業した彼は何者になるのか。
あれだけ仲間を思い、SWORDを思って行動してきた彼からSWORDを取ったら何が残るのか。私は卒業後の彼が心配で心配で仕方がないです。
色々言いはしたけど彼はやまゆにとってとても大切な役だし一緒に成長してきたかけがえのない存在だと思う。噛ませ犬でしかなかったキャラをここまで育てて拳1つで成り上がったんだから。
だからHIROさんどうか、鬼邪高スピンオフをお願い致します。
長女からみたバラーラデーヴァというキャラクター
・悪として描かれるバラーラデーヴァ
弟であるバーフバリから王座を奪うため、実母をも騙し、卑劣な方法で陥れた悪役としての彼。彼をそこまで追い詰めたのは長子というコンプレックスと王国という呪いに縛られていたからだと思う。
彼は人々の期待と恨みが生み出してしまった呪われた子なのだ。
・長子として生まれたバラーラデーヴァ
長子なら誰でも経験していると思うが、第1子に対する親からのプレッシャーというのは物凄いものなのだ。それも幼い頃から。そして彼は王というとてつもないプレッシャーを与えられてきた。
きっと彼も"兄なのだから"と言われ続けてきたんだろう。
"兄なのだから"強くなければ。"兄なのだから"優れていなければ。"兄なのだから"王になるのは自分でなければ。そうやって自分を追い込み続けてきたんだろう。
皮肉なことに彼の実父のビッジャラデーヴァも兄であり、弟に王座を譲っているのだ。そんな父であるから、呪いのように「お前が王になれ」と言われて育てられたんだろう。
作中で彼がこぼした「幼い頃からお前(マヒシュマティ王国)に苦しめられた。なぜ私が求めるほどにお前は遠ざかってゆくのだ。」というセリフ。もう泣いた。めっちゃ泣いた。
彼は父の、王になることが叶わなかった悔しさと、弟に王座を奪われたという憎しみとを一身に背負わされ、王国という呪いの犠牲者となった1人なのだ。
彼は王になるために生きてきたのに、自分のものになるはずであった王座を弟に奪われた。実父ですら王である自分でしか認めてくれないのに。
そんな環境で歪まずに生きていけるだろうか。
彼は自分の存在意義を王座につくことでしか見い出せないのだ。
そんな苦しみがバーフバリへの恨みへと変わってしまった。
・デーヴァセーナの鎖
彼の心は一度バーフバリが王であると宣言された時点で壊れてしまっていたと思う。あれは彼にとって実母に見捨てられたも同然だろう。
やっているのは戦なのだ。人が死んで当たり前なのだ。
彼の判断は間違ってはいなかったと思う。誰だってそーする、おれもそーする。
でも相手は神だった。あんなもん人間じゃないね。バーフバリは神。でもバラーラデーヴァは人間なんだ。
神が死んだ今、彼の積年の恨みがあの程度で晴れる訳もなく、怒りの矛先はデーヴァセーナへと向かう。彼はデーヴァセーナを鎖に繋ぐことによって自我を保っていたんだと思う。
あの鎖を見ることで"兄としての自分"と"王としての自分"の自尊心を保ち、バーフバリへの恨みと怒りを紛らわせていたんだと思う。実に人間臭い。
・王の凱旋
自らが王となった25年間。まだ鎖に依存している所を見ると何も満たされなかったんだろう。彼が王になる際に起きたバーフバリコール、そして抑圧政治、もちろん国民には好かれていない。国民に認められていない国王なのだ。
25年経っても国民はバーフバリの影を追う。死してもなお比較されるのだ。勝てるはずもない相手と比べられることがどれほど辛いか。
誰も、父親ですら、自分を見てくれない。そこで無理矢理にでも自分を認めさせようと開いていたのであろう誕生祭で突如始まったバーフバリコール。悲劇としか言いようがない。そして現れた、自ら葬ったはずのバーフバリの姿そのもののシヴドゥ。この世に神はいないのか。
結果、息子も自分も殺されてしまうわけだけど、彼はバーフバリという作品において人の象徴のような存在だったんじゃないかと思う。彼がいたからこそバーフバリが神と崇められ、この神話的な物語が成り立ったのだ。作中では悪役とされていたけど、彼も人並みの愛を与えられて比較されていなければ素晴らしい王になっていたと思う。私もバーフバリ大好きだけど、長女という立場から彼のことを思うととても苦しい。
今一度声を大にして言いたい。
”お兄ちゃんなんだから” ”お姉ちゃんなんだから” というのは呪いの言葉なんだ。
ハイロー民がバーフバリの魅力について語ってみた
・まず、バーフバリとはなんぞや
マヒシュマティ王国という大国を舞台に繰り広げられる愛と復讐の物語。
世界興収300億円を突破したインド映画です。全2作完結で5時間にわたる作品であるが体感時間は2時間なのでぜひ続けて見てほしい。
・インド映画?歌って踊るの?
答えはYESです。でも突然歌い出したり踊り出したりする訳ではありません。音楽によって語り調で物語を説明してくれます。この歌がまた洗練されていて日本語訳もめちゃくちゃかっこいい。映画館ではテルグ語版に字幕を付けて放映されていますが耳触りもとてもいい。
ハイローで言えば各チームのテーマソングであり、立木文彦のナレーションの役割も果たすのだ。サホレバーフバリ!
どうせ歌って踊るだけでしょと思ってる方にぜひ見てほしい。ハイローをどうせEXILEでしょ?と侮っていたあなた、そうあなたです。
続いてバーフバリの魅力についてお話します。
・壮大さ
物語のスケールといいバーフバリの人間性といい音楽といい全てが壮大で規格外で尊い。
・美しさ
映像も衣装も建造物も目に入る情報全てが美しい。
・マヒシュマティ王国
バーフバリを語る上で必要不可欠なマヒシュマティ王国、圧倒的な国力と財力と技術力。
だがこの王国が大勢の人々の運命を振り回すことになるのだ。
魅力的なキャラクター
・シヴドゥ(マヘンドラ・バーフバリ)
初代国王ヴィクラマデーヴァの息子であったアマレンドラ・バーフバリの子供。登場からしてやべえ。なんだあれ。死後硬直で助かるってなんやそれ。赤子の時点でもう神。雲の上まである滝を素手で登る。琥珀さんと九十九さんを1つにしたみたいな強さ。巨大連接棍棒で殴られたぐらいじゃビクともしねえ。
・アマレンドラ・バーフバリ
シヴドゥの父。バーフバリとはほぼ彼のことを指している。彼こそ王であり神でありバーフバリなのだ。彼を前にした民は崇めるしかないのである。強さも優しさも慈悲深さも器の大きさも桁違い。
そしてこの親子が非常に戦術に長けている。2代目アマレンドラ・バーフバリの2万5千vs10万の戦いもすごいが3代目マヘンドラ・バーフバリのヤシの木城攻めなんて諸葛孔明もびっくりである。
・バラーラデーヴァ
アマレンドラ・バーフバリの兄であり、現国王。彼ほど呪われた立場に生まれてしまった人間がいるだろうか。彼はハイローでの李であり、林蘭丸なのだ。あと高野と平井。
彼については思うことが山ほどあるので別記事で。
・カッタッパ
先代より国王に仕えてきた最強奴隷戦士。めちゃくそ強い。ICEと劉を1つにしたような強さ。忠誠を形にしたような男。作中でもキーパーソンとなっており、父のようにバーフバリの成長を見守ってきた彼は兄弟間の争いに巻き込まれ、大変な選択を迫られることとなる。
ここで察しのいい方は気付かれたと思うが、これはヴィクラマデーヴァ、アマレンドラ・バーフバリ、マヘンドラ・バーフバリと3代に渡る物語、そう、ジョジョなのだ。
これらが圧倒的スケールとアクションと壮大さで描かれる物語、それがバーフバリ。
見終わったあなたはバーフバリを讃えずにはいられなくなります。
バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!